認知行動療法(CBT)第8回

認知行動療法(CBT)第8回

第8回:自分を大切にできない考えや行動のメリット

前回は損得分析のやり方について説明し、実際にワークとして取り組んでもらいました。そのうえで、自分を大切にできない考えにはメリットがあることもお伝えしました。今回は自分を大切にできない考えや行動のメリットについて取り上げたいと思います。

前回のホームワークを提出しましょう

行動プランを実践してみての結果を確認しましょう。新しい考え方、行動は妥当でしたか?以前と比べてはどのような気持ちや行動の変化がありましたか?次回までに振り返ってみましょう。

自分を大切に出来ない考えや行動のメリットに気づく

前回、試験の結果が良くなかったクヨミさんを紹介しましたが、もう一度クヨミさんの例を見てみましょう。クヨミさんの思考としては「どうせ私はいい成績が取れない。進学校にも行けないんだ。」と考えていたとします。

この場合このように考える事で起こるデメリットは以下のようなものが挙げられました。

    ①自分に自信がなくなる。
    ②他の進学先の可能性を見落としている。

一方で、このように考える事で起こるメリットが実は隠れています。この場合は以下のようなメリットが隠れていました。

    ①勉強に打ち込まなければ自信を失う可能性が減る。
    ②試験に落ちたことを問題のレベルが高いせいにすれば、自分の欠点や困難さを直視せずに済む。

前回はここまで紹介しましたが、その後以下のような変化がありました。

クヨミさんは、自分を大切にできない考えや行動のメリットを優先させたい気持ちがあることに気づきこのように考えました。
「そうか、自分は自信がなくなるのが怖いんだな。」「現実から目を背けたいんだな。」

このように自分の心の底にある本心に素直に向き合い、大切に扱う事で「自信はないけど今は出来ることをやろう。」と勉強に取り組むことが出来るようになりました。

さて、ここで大切な事としては、自分を大切にできない考えに対して真摯に向き合い、メリット・デメリットを検討し、その上で自分に対して素直に考え、出てきた気持ちを無視せず受け止めているという事です。


前回もお伝えしましたが、自分を大切にできない考えを検討してみると、簡単にデメリットを挙げられるにもかかわらず、このような考えから抜けだせないことが多いです。それはこの考え方に隠れたメリットがあるにもかかわらず、そこに気が付けていないことから起こります。

多くの人は、「好きで、こんな考え方しているわけではない」と考えますが、自分を大切にできない考え方がクセのように当たり前になっているということは、マイナス思考でなんらかの得をしているからと考えることが出来ます。


このような考えは、その瞬間、瞬間に対して、自分を守るために働き、必要なものであったと思います。つまり、その場における最善でもあったと思いますので、決してその様に考えていた自分は悪いといった否定的な捉え方はせず、その場を乗り越えてきた努力を受容してあげる、労ってあげることが大切です。

マイナス思考のメリットを明らかにすることは、簡単なことではありません。しかし、自分を大切にする考え方の第一歩となります。自分の考え方を見つめて、少しずつでも前に進んでいくことを続けていきましょう。

また、このように自分の考えに向き合おうとすると、深く入り込んでしまうことも良く起こります。大切なのは距離感です。取り組んでみて負担が強いようでしたら、一旦距離を取ることも練習していきましょう。

【ワーク1】例題を参考に、自分のエピソードを1つ取り上げ、損得分析を行ってみましょう。

(例題)


(損得分析の例)

損得分析をやってみましょう。

【ワーク2】

新しい考え方、行動をもとに何かできそうなことはありますか?
来週までにできそうな行動プラン(いつ、どこで、だれが、なにを、どのようにして、どうする?)を立てて実践してみましょう

【ホームワーク】

行動プランを実践してみての結果を確認しましょう。新しい考え方、行動は妥当でしたか?以前と比べてはどのような気持ちや行動の変化がありましたか?次回までに振り返ってみましょう。

ワーク1~2を実施しましょう

ワークを実施し、内容を報告メールで送ってください。Wordファイル等をメールに添付しても結構ですし、メールに直接書いて送っても構いません。

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