認知行動療法(CBT)第3回

認知行動療法(CBT)第3回

第3回:認知再構成法

認知再構成法

認知再構成法は自動思考「以外」の考えも持つことが出来るように、自動思考の検討を行う手法です。基本的な検討方法のひとつに自動思考記録表(コラム表)を用いた方法があり、思考の幅を広げていくことを目指していきます。

以前にも紹介しましたが、「自動思考(考え・こころのセリフ)」は普段から私たちの感情・行動・身体反応に影響をあたえています。つまり、物事の受け取り方を変えていくことはそのあとに生起する感情・行動・身体反応を変化させていくことと考えることができます。

そのため、認知再構成法は、頭の中で浮かんだ考え方やこころのセリフを見直すための手法と言えます。

自動思考記録表の活用

自動思考記録表(コラム表)は7つの項目を用いて検討していきます。状況、感情、自動思考、根拠、反証、自動思考に代わる思考(適応的思考)、結果(気分の変化)を検証していきます。

まずは、状況、感情、自動思考についてみていきます。3つの項目では以下の内容をまとめていきます。

状況は、出来事を客観的・具体的な事実をまとめていくことが大切です。そのため、実際に起こった出来事に対して、自分の思考が混ざっていないかを注意深く観察することが大切です。感情が上手く表せない方は以下の感情のリストを参考にしてみましょう。

●感情リスト●
感情を適切な言葉として形にするのが難しい場合、以下のリストを参考に自分の感情と照らし合わせてみましょう。

自動思考がうまくキャッチできない場合は、前回扱ったメタ認知について再度確認してみましょう。確信度は、今その思考を振り返った際の確信の強さを指します。

【ワーク1】3コラム法をやってみよう

不快な気持ちになった時の出来事を、3コラムを用いて整理してみましょう。2つのエピソードについてやってみましょう。

(例)
 状況:不快な感情を伴う出来事
 ・帰りの電車で吊革につかまっていると、後ろから二人組のうちの一人のカバンが何度も背中にぶつかってくる。 

 感情:不安、悲しみ、落胆、怒りなど(強さ0~100%)
 ・イライラ70%、呆れ50%、諦め40%

 自動思考:その時に頭に浮かんだ考え(こころのセリフ)(確信度0  ~100%)
 ・「電車に乗るときは荷物を前に抱えるか、ぶつからないようにするものだろ。」と思った。(確信度80%)

こころのクセを知る

ワーク1で出来事を整理してもらいましたが、人々が悩んだり困ったりしている時に出てくる考え方は、同じような特徴を持っていることが多いと言われおり、これらの考え方の特徴はこころのクセ(思考の偏り)と呼ばれています。

適応的な思考を持ち他者とかかわるためには、自分のこころのクセを把握し、ものごとを柔軟に捉えられるようにしていくことが大切です。代表的なこころのクセを以下に示します。

【ワーク2】こころのクセについて、ふり返ろう

(1)ワーク1で整理した自動思考にはどのようなこころのクセが隠れていましたか。代表的なこころのクセにぴったりあてはまらない場合も、自分にどのようなこころのクセがあったか書き出してみましょう。

(2)どのような場面や状況でこころのクセが出やすいですか。自由記述で回答してください。

ワーク1~2を実施しましょう

ワークを実施し、内容を報告メールで送ってください。Wordファイル等をメールに添付しても結構ですし、メールに直接書いて送っても構いません。

ホームワークを実施しましょう

※こちらのワークは次回提出してください。

①3コラムを用いて、不快な気持ちになった時の出来事を2エピソード整理してみましょう。
②整理したエピソードの自動思考にはどのようなこころのクセが隠れていましたか。代表的なこころのクセにぴったりあてはまらない場合もどのようなこころのクセがあったか整理してみましょう。

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