脳と怒りの感情
暑い日が続いておりますが、そろそろ8月も終わりですね。
早く涼しくなるといいな…と思う今日この頃です。
さて、先日、「脳が知っている怒らないコツ」という本を読みました。
この本から、脳科学から見た怒りのメカニズムについてお話したいと思います。
脳科学から見ると、怒りは「ものごとにうまく対処できないことに脳が不満や不安」を感じている状態だそうです。
つまり、怒りとは「『自分では対処できない』という脳の悲鳴」だということなんです。
例えば、無茶ぶりをする上司への怒りは、自分は、上司の無茶な要求に対処できないということになりますし、「頑張っているのに、会社が評価してくれない」という怒りは、自分は会社の期待に応えることができないと感じているといえます。
では、もう少し「脳」の観点から怒りについて考えていきたいと思います。
私たちの脳内に分布する神経細胞群を場所ごとに大まかな働きを分類すると、以下の8つの系統に分けられるそうです。
①思考系脳番地…情報をベースに決断したり実行したりする領域
②伝達系脳番地…発話や言語の操作を行う領域
③理解系脳番地…情報を理解する領域
④運動系脳番地…体を動かすこと全般に関係する領域
⑤聴覚系脳番地…耳で聞いたことを脳に集積させる領域
⑦記憶系脳番地…情報を覚えたり、思い出したりするときに使う領域
⑧感情系脳番地…喜怒哀楽などの感情を表現するのに関与する領域
そして、私たちが怒りを感じるのは8つの脳番地のうち、①~⑦の脳番地のどこかがキャパシティオーバーとなり、それぞれの場所で「対処できない!」となったストレスが、感情系脳番地を通じて怒りとなって表出するからだそうです。
①思考系脳番地→事態が難しくて「考えられない」
②伝達系脳番地→うまく話せずに「伝えられない」
③理解系脳番地→目の前の物事が「理解できない」
④運動系脳番地→病気やケガ、加齢などで、上手く「動けない」
⑤聴覚系脳番地→聴力や言語能力に問題があり、よく「聞こえない」
⑥視覚系脳番地→視力や集中力に問題があり、よく「見えない」
⑦記憶系脳番地→必要なことが「思い出せない」
⑧感情系脳番地…①~⑦の脳番地で対応できなくてイライラする!
といった具合です。
キャパシティオーバーになっている領域というのは、脳の中でも最も負荷がかかっている部分といえます。
そして、怒りを感じてキャパシティオーバーしている脳番地から、別の脳番地へと意識をシフトさせることで、クールダウンすることができるそうです。
運動系番地の怒りでないときは、運動系脳番地に意識を向けるといいそうです。
とくに、有酸素運動をすると、怒りで頭に上がっていた血液が、全身に分散され、より早くクールダウンできるといわれています。
もうひとつ、怒れる脳をクールダウンさせる方法として、自分の脳に「できる」「わかる」と言い聞かせる方法があるそうです。
怒りとは「『自分では対処できない』という脳の悲鳴」とお伝えしましたが、この時に、「大丈夫。私は対処できる。解決法がわかる」と言い聞かせると、急激に上がった脳圧を落ち着かせることができるといいます。
「できない」「わからない」と答えを求めて、頭に血液をあげてしまっているのを、「できる」「わかる」と言い聞かせることで、脳に余計なことを考えることを一時的にストップさせることで、クールダウンさせることができるとのことです。
脳科学から怒りのメカニズムをみてきましたが、いかがでしたでしょうか?
アサーションプログラムでもお伝えしている通り、怒りというのはきっかけとなる出来事を持ち込むのは他人であっても、怒りの感情自体は自分のものです。
そのように考えることが、怒りに対処するコツでもあります。
そうは言ってもなかなか対処ができない…という方もいらっしゃるかもしれませんね。
怒りなどの感情の取り扱い方についても、リエンゲージメントではアサーションプログラム等で学んでいます。
よかったら一度見学にいらっしゃってくださいね。
―引用文献―
脳が知ってる脳が知っている怒らないコツ 加藤俊徳 かんき出版
※リエンゲージメントでは、
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