これからどうするか
これからは残暑お見舞いですね。
さて、少し前になりますが、以前ブログ で取り上げた『嫌われる勇気』の続編、『幸せになる勇気』を読みました。
このシリーズは、哲学者と青年の対話形式でアドラーの教えを伝えるものです。
その中でとても印象的だった話をご紹介したいと思います。
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哲人 この三角柱は、われわれの心を表しています。いま、あなたの座っている位置からは、三つある側面のうち二面だけが見えるはずです。それぞれの面に何と書いてありますか?
青年 一面には「悪いあの人」。もう一面には「かわいそうなわたし」。
哲人 そう。カウンセリングにやってくる方々は、ほとんどがこのいずれかの話に終始します。自身に降りかかった不幸を涙ながらに訴える。あるいは、自分を責める他者、また自分を取り巻く社会への憎悪を語る。
カウンセリングだけではありません。家族や友人と語らうとき、今自分が何を話しているのか自覚することは、なかなかむずかしいものです。しかし、こうやって視覚化すると、けっきょくこのふたつしか語っていないことがよくわかります。
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皆さんも、心当たりがあるのではないでしょうか?
ついつい私たちは、不幸なことや嫌なことがあると、自分は被害者であって、誰かのせいでこうなったと言いたくなります。
実際、カウンセリングをしていた時、悪いあの人、かわいそうなわたしについて語る方は非常に多くいらっしゃいました。
さて、この三角柱のもう一面に何が書かれているかというと、「これからどうするか」です。
哲人は、我々が語り合うべきは、この一点であると言います。
アドラー心理学では、「人間は、環境や過去の出来事の犠牲者ではなく自ら運命を想像する力がある」と考えます。
もちろん私たちは過去の出来事の影響は受けています。
しかし、アドラー心理学では、「われわれは過去の出来事によって決定される存在ではなく、その出来事に「どのような意味を与えるか」によって、自らの生を決定している」と考えるのです。
確かに同じ出来事を経験しても、人それぞれ捉え方が違います。つまり、過去というのは、それぞれの解釈で捉えられていると考えられます。
今の自分を肯定している人は、過去の辛い経験も「いろいろあったけど、だから今の自分がある。これでよかった」と考えているものです。
だからこそ、これからのことを考えていくことが重要なんですね。
過去の出来事そのものと他人を変えることはできませんが、これからの未来を変えていくことはできます。そして、これからの未来が変わると、過去の捉え方が変わることがあります。
自らの人生を変えるためには、過去の原因を探して、誰かを責めるのではなく、「これからどうするか」を考えていくことの大切さを改めて感じました^^
―引用文献―
『幸せになる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教えⅡ』 岸見 一郎・古賀 史健 ダイヤモンド社
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