ストレス反応の抑うつ状態とうつ病の違いは?
「診断」はドクターが行うものですが、セルフマネジメントの目安にはなるかと思いますので、今日はその専門的な診断基準をお伝えします。
ドクターは問診によって(成育歴・家族歴・現在の症状など)患者の状態を聞き取り、また患者の様子を診て、「診断基準」に沿って診断をします。(場合によっては臨床心理士などの専門家による心理テストなどを組み合わせることもあります。)
「「ICD」と「DSM」という診断基準」
心の病気の分類には一般にICDとDSMと呼ばれる二つの診断基準がよく使われています。
*ICD・・・WHO(世界保健機関)による国際疾患分類(精神および行動の障害臨床記述と診断ガイドライン)で、現在は第10版(ICD-10)が使われています。厚生労働省の統計も基本的にこれに準じています。(日本の福祉の診断書にはICDを明記します。)
*DSM・・・APA(アメリカ精神医学会)による分類(精神疾患の分類と診断の手引き)です。(アメリカだけではなく、多くの日本の心療内科・精神科の医師もこの分類を使用します。)
○ ICDのうつ病の基準
A.うつ病エピソード(G1.少なくとも2週間続く、G2.躁病性症状のないこと、G3.主要な除外基準が無いこと)の全般基準を満たすこと。
B.次の3項の症状のうち少なくとも2項があること
①対象者にとって明らかに異常で、著明な抑うつ気分が周囲の状況にほとんど影響されることなく、少なくとも2週間のほとんど毎日かつ一日の大部分続く。
②通常なら楽しいはずの活動における興味や喜びの喪失
③活力の減退または疲労感の増加
C.次に示す付加的な症状を併せて、B項との合計が少なくとも4項あること。
①自信喪失、自尊心の喪失
②自責感や、過信で不適切な罪悪感といった不合理な感情
③死や自殺について繰り返し起こる考え、あるいは自殺的な行為
④思考力や集中力の低下の訴え、あるいはその証拠。
⑤焦燥あるいは遅滞を伴う精神運動性の変化(主観的なものであれ、客観的なものであれ、いずれでもよい)
⑥いろいろなタイプの睡眠障害
⑦相応の体重変化を伴う食欲の変化(減退または増進)
ドクターはインフォームドコンセントといって、病気について、患者さんに説明する義務があります。あれこれ思い悩むよりも、疑問や不安があれば、遠慮なくドクターに尋ねてみることをお勧めします。
*リエンゲージメントでは「疾病教育」を行って、利用者さんに病気について正しい知識をお伝えしています。また、個別面談を行い、心理教育も行います。
正しく理解して、最良の改善を目指しましょう。
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